ジョブ・キャリアが磨く自身の力を信じる

仕事に傾倒して行くにつれて、ある職務領域の経験と知識がその人に積み上げられていく。職業をどう選択するかは重要な事なのだが、悩みながらも選択してきた結果が今に至る。
いつだってかつての分岐点に戻ってやり直すことはできるのだが、その選択の決断によって開ける将来の可能と、これまでのこととして今後は手放さなくてはならないこともでてくる。とはいえ、積み上げてきたキャリアの財産は決して無駄にならない。実績や経験は目に見える事実としてキャリアを語るのには有効な証左となる。
さらに、そのような「こと」や「どうやって」、「なぜ」、「だれと」それらの事柄に取り組んできたのかを一般化して行くと、キャリアで形成されてきたその人自身の「メタ能力」が見えてくる。ことごとく経験に無駄はないのである。これらからは恒常的で汎用的な職業人の実力や目指す方向性、意欲や取り組み姿勢に影響する価値観が見いだせるし、言葉で表現できようかと思う。
組織で働くにしても、フリー・エージェントとして働くスタイルを選んだとしても、仕事は繋がりの中から生じ、相互の連携と協力で目指す結果に向かってかたち作られていくモノだと思う。自分が大事にしていることと、周囲との関わりの中で認めてもらえる事の結びつきから、働く力の実力を見いだしていける。
新しい事はいつだって始められるし、やり直して他の方向性へ向かっていける。その時に大事にしておきたいのは、何かをやりたいのかという自分自身の思いと率直に向き合うことかと思う。

ー 立春 ー