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ブランディングの一考察から 臨機応変の意思決定について

とある依頼案件がきっかけでブランディングについてお客様とさまざまに思考の展開と収束を積み重ねています。事業の新しい在り方を、「変革」というコンセプトを軸に模索しています。今日まで、事業を通じて築き上げられてきた企業が有する価値は、変化を続ける状況でどうやったら有益な結果を今後も生み出していけるのでしょう。ブランドとブランディングの定義がとても重要なのだと今回の事案を通じて実感しています。

マーケティング・コンサルタントの安原智樹氏によると、以下のような要因を上げておられます。
ブランド価値 = 商品提供価値 X コンテンツ提供価値 X リレーション提供価値

さらに、「ブランディング」という言葉の定義として、
「商品提供価値をブランド価値全体にストレッチさせ、その結果、ブランドがビジネスに貢献することを目指す」手法である、と述べられています。
*安原智樹著 ブランディングの基本 日本実業出版より引用

事業展開において、自社の商品をどうブランディングしていくかについて、お客様との関係性から創られる商品の価値と、商品の価値を膨らませる情報群の2軸に展開して商品が提供する価値を最大化する、すなわちブランディングによってブランド価値を引き上げるフレームワークが提示されています。

ブランドということが意味する価値と、価値を最大化するためのブランディングという活動は目に見えない「価値」を扱う概念的な領域です。この目に見えない価値というものを、組織化された企業にあって、それぞれの職務ごとに目的に向かって業務遂行をしていくのです。
それぞれの職務はちょうどチームプレーの戦略にそったフォーメーションを示すような意味になるのでしょう。さらに規模のそれほど大きくない組織やプロジェクトチームならば、中心にいるリーダー自身がプレイヤーとして加わってフィールドに出てゲームを動かしている状況でしょう。自分のことをやりながらチームメンバーが機能するように関わっていき、不確定な状況では、先々の予見とその場での決断を絶えず求められます。事実を適確に把握し合理性をもって対処できる事案もあれば、一見関連性がないように見える曖昧ななかから直観的にパターンを想定していく場面もあるでしょう。

複雑かつ混沌としている中にあって、リーダーシップとは、事実の見極めとメンバーの能力と特性に応じた関与と介入を状況に即して行える能力と言えます。状況の進展と結果を創り出していくプロセスでもっとも意味があるのは、リーダーが臨機応変に対応しながらメンバーと新しい知恵を創り出していくことだと思います。一人一人の足し算でなく、一つ一つの知恵の乗算になるような関わり方こそが不確実な状況を打破する糸口となると思うのです。

ー 小暑 −