企業組織の変化に映るティール組織との一様

組織論を云々する以前のこととして、現実には親方(オヤジ)が率いる合目的的な集団は、達成しようとする事柄に向かって組織化されます。とある企業との関わりを通じて浮かんだ、強い組織とはなんだという問いかけに対して、かなり荒っぽいがそんなイメージが湧いてきたのです。
その組織にあって、目的へのコミットメントは集団のリーダーであるオヤジへの畏敬と信頼が基盤です。そうやって最初は我の強い連中がゴリゴリやっているうちに、バシッと締める親方(オヤジ)の号令一下、上意下達で動いていた集団から、やがてそれぞれの役割や課業が決まって目的に向かって自律的に動き始めます。この時点では、個が確立した上での連携よりも、なんとなく集団に溶け込んでいて運命共同体的な集団の結びつきから合目的な個々の行動に結びついていってる、そのような状態ととらえられました。暗黙の共通認識として同質化を望まれているという状況と言えるかと思いました。
ところが、学びを促し多様な発言を許容するリーダーの元で動き始めた組織の面々は、特に若手一人一人が伸び伸びしていて、時に奔放な発言をしたり行動をとったりするちょっと尖った人が出てきたのです。状況が変わっていく様を垣間見つつ、なんだか7人の侍みたいな集団だなぁ、って好ましく思っていました。今日的な変化の早い状況に適応できる望ましい組織の一つに、自律的な個の関係性が明瞭になっていて、ネットワークのようになった組織が構成されて動いている、例えて言えばプロサッカーのチームのような動き方をする形態があると考えます。世にある理論は実践の中にある事実から紡ぎ出されている、そう思えば目の前にいる人や関わりにとても大切な将来の可能がまどろんでいるはずです。さらに言えば、現実に向き合って内なる可能に直感的に気づける人がカリスマティックなのじゃないかとさえ思わされるのです。
企業の変化と成長の局面に関わらせていただき、そこに活躍する次世代のリーダーの姿を垣間見て、着実な歩みを共有できる事は冥利に尽きるのです。

ー清明ー