思ったほど頑張ってくれないのは、期待値が高すぎるだけ?

有能な人材とは、期待する成果をきちんと出す人、と言えるでしょう。また、何が成功と言えるかが数量や質といった基準をもって示されていて、それを達成できる人でしょう。企業を取り巻く状況はめまぐるしく変化し、自社の対応もより迅速かつ柔軟に求められるようになってきています。そのような目標を期待していて、どのように仕事をやっていってもらいたいか、会社と社員の相互で了解を得ていることが、その成功の可能性を引き上げてくれます。
仮に、自ら行動をし、新しいことにも意欲的に取り組み、可能性とリスクを判断して物事を進められるような人材、を期待するとしたら、どうやって実際に仕事に取り組んでくれる社員にその期待というものを伝えていかれるでしょうか。経営者の意図が、上意下達として組織に一貫して浸透できてこそ、適時の判断と結果がかみ合うはずです。
ざっぱくな言い方ですが、仕事に来ている人で、やる気のない人材はいません。自分がやりたいと思っていることなら、ほっておいても没頭して取り組むでしょう。取り組んだ結果と自分の得る成果がはっきりと肝に落ちているなら、脇目も振らずに成果の実現に向かっていくでしょう。一方で、事情のよく分からないことや、納得できていないことをやりたくないと思う人はいるのです。だからこそ、期待する成果の基準を明らかにするとともに、成果を期待している人材が、果たしてどんなことに関心をもっているのか、どのようなことにやる気を引き出されるかを理解しておくことが肝要です。人はどんなことにやる気を出すか、このツボを分かっているかどうかで、人と組織を活かしているどうかに大きな違いが出てきます。