こんな時だからこそ、少しの間ゆっくり呼吸をしよう

時ならぬ社会不安が、目に見えないウイルスによって拡散しています。ウイルスの特性は徐々に明らかになってきているようですが、不安を解消してくれるような対処法を得るにはまだ少し時間が必要なようです。
私も小まめに手洗いをすることと、むやみに人混みに出かけないよう心がけています。仕事で人前に出る際にはマスクの着用をご容赦頂くようにしています。
そうやってウイルスそのものに十分な注意を払うべきなのですが、恐怖心や懸念のスキに忍び込む曖昧さや憶測にも気をつけたいと思っています。正しく怖がる、そのために冷静に事実を見定める複眼的な見方をしておきたいと思っています。
そして日常生活で自分ができる事のなかに、呼吸に意識を向けることで心を落ち着かせるよう瞑想をするというのがあります。長期化する状況でストレスがかかってくると心身に不調が出かねません。そんなとき、心身のバランスを保つために5分程度の短い時間でも瞑想は有効だと思います。呼吸瞑想のやり方は、閑かな場所で椅子に座りながらでも、あぐらをかいてでも構いません。鼻からゆっくり息を吸って、鼻からゆっくり吐くことに意識を向けるだけというシンプルで分かりやすいものです。呼吸には、意識化で働く体性神経と無意識下で働く自律神経の2つの神経が関わってきます。唯一この両方の神経の影響を受けている呼吸が、内面に目を向けバランスを取り直すうえで重要な役割を担っているんですね。
目を閉じて自分の呼吸に意識を向けていると、不安や懸念、イライラといったいろんな雑念が湧いてくるかも知れません。それでも自分のゆっくりとした深い呼吸に意識を向けることで、心の軸に芯が通ってくるような、「今」という自分に立ち返るきっかけがえられるのではないでしょうか。こんな時だからこそ、瞑想という生活の習慣をあらためて思うところです。

ー 春分 ー