同じ仕事をしているから同じ賃金なのだ、ということ

働き方改革で、同一労働同一賃金が取り上げられています。
大雑把に言って、この主旨は、正規社員と非正規社員の処遇格差について、合理的な理由(根拠)を求めるということかと思います。雇用の形態に応じた格差に合理的な根拠を設けて、多様化する働き方に公正な処遇を設けるよう制度のポリシーと仕組みを変えていくことになります。まずは関連する法令から一続きになっている規定、規則の改定は必要になりますね。
人事制度の改定を進めるにあたって、実態に規則を合わせるようなことになると、自社の「働き方改革」のありがたが後付けになりそうです。できることなら、時代の流れとして今起こっている多様化を先取りして、年齢や国籍そして性別に関する個人的な属性を取り払って事業運営をになってもらう人財の処遇について、担っていただく職務を基盤として考えてみるのはどうでしょうか。
日本の雇用慣習としてとられてきた終身雇用と年功序列が、いよいよ方向転換をするのだろうと思います。長く務めてもらっていれば、有形、無形の財産が人についてまわります。人に内在する貴重な経験と知見という鉱脈をみすみす投げ打つようなことはあってはなりません。どのような能力を発揮してもらい、自社にとって有意義な価値を作り出してもらえるか。組織戦略は事業戦略を反映し、それぞれの仕事=職務は責任と期待成果、そしてそこに求められる能力(成果行動)に区分して定義できます。労務費をコストとみるのか、将来に向けた企業と働く人への投資とみるのか、おなじお金でも意味合いは違ってきます。現時点から将来に向けた可能性を現実とするために、担ってもらう責任と成果のサイズに、報酬が合理的な根拠に基づいて定められていることが要諦かと思います。
公正なポリシーにより、オープンな情報共有が行われ、公平な処遇をどのように制度化するかは、事業の継続性を担う働き手の納得とモチベーションに直結するのではないだろうか、と思います。

ー大暑ー