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一年のふりかえりと2022年

 昨年はこの世情にあって、新たにプロジェクトを立ち上げたり、個別のワークショップを開催したり活発に仕事ができクライアント様ならびにパートナー企業様には深く感謝申し上げます。 
 ところが年末に最後の仕事を残した日に、不調を感じて急なキャンセルをお願いした。医者に行くとただの風邪とのことでホッとしたが、その後寝込んでしまってようやく落ち着いたら元旦である。
 
 個人事務所の故か、「エンジン」のアイドリングから停止の区切りが曖昧になっていたのだろうか。ベッドで横になっていると頭の中をさまざまな事が行き交って、まるで雑踏に一人で佇んでいるようだった。さらに世の中を見渡せば、仕事以外にも気の休まらない状況も続いている。

 常に気が休まらないストレスフルな状態が続くと脳と体を疲れさせる。DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれる機能の過剰活性状態で、あれやこれやとさまざまなことを考え続けることで引き起こされる。やがて脳は過剰な活動で疲弊していく。
 年末に寝込んでやったことは呼吸に意識を向けて、ゆっくりと吸って吐いてを無理なく続けることだった。そうやってどこかに行ったような「自分」の「この場所」に目を向ける様に気をつけて過ごした。これは坐禅や瞑想で教わった呼吸の仕方である。「今、この瞬間だけに注意を向けた状態」に心を導くことで、ザワザワした感覚がゆっくり薄れていく。やがて解熱剤もよく効く様になって十分に眠れるようになった。
DMNの活動を抑えて落ち着かせ、疲労回復の効果もあるこれをCEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)という。私のように自覚症状が出てからではなく、より適切にDMNとCEMの切り替えができることが望ましいのはいうまでもないのである。この切り替えを司る機能を、SN(セイリエンス・ネットワーク)という。迷子になったこと自体に気づかせて、落ち着かせ、外界と内部の感覚を統制するように働きかける。このSNが機能するからDMNとCENがうまく切り替えられる。

 ぼーっとしているときになんもしてないのではなくて、どうしたらいいか脳が段取りしている様な感じだ。そうして、自分ならなんとかなる、思ったようにやってみようと肯定的に考えることが大事だそうだ。
 昨年を振り返ってからの今年一年、できるだけ雑念(ノイズ)に振り回されないよう「今ここに」を意識に保てるようにしてみたい。