グローバル人材と言う言葉をよく耳にするようになりましたが、どのような基準でその人材をとらえるか、期待する能力や人材の資質に関する定義に幅もあるでしょう。自社の事業戦略と業績目標は掲げるけれど、仕事に意欲的に取り組んでくれるのはどんな人なのか、そして成長の源泉となり、将来の発展を担ってくれる人材とは・・・?
また仕事をする個人の視点からみて、ビジネスパーソンとして自己のキャリアを築いていく可能性をより広く得ようとすれば、ボーダーレスの世界は果てしない可能を提供してくれるでしょう。なかなか分からないのがどんなことを志向しているのか、また現在有している能力が果たしてどんな方面に活かせるのか、そして個別のキャリア開発の機会を自分のものにするためには、それらを効果的にアピールしたいのだが・・・・。
可能に満ちたビジネスパーソンが、このリージョンを超えてボーダレスのフィールドで活躍できるようなエビデンスとなるようなツールを用いてコンサルテーションを提供できたらいいなと思ってきました。今回導入を進めているアセスメント・ツールはすでに122カ国で活用されています。この点から言って、同じフレームワークとメジャメントで自分のバリューをグローバル・スタンダードで把握できるわけです。
過去から現在に至るキャリアの中で能力は形成されいるはずです。それは自分がどうなりたいか、どんなことをやれるようになりたいか、に向かっていたはずです。仕事で期待される成果の基準や責任の内容、そしてそれらを統合した業績という成果を積み重ねてきたはずです。仕事は自分にとっておもしろいと思えるから続くものでしょう。期待されることとやりたいことが結びついたときに人ややる気がでます。モチベーションが上がるんですね。
人的資源管理では、中核的な経営資源である人材の今を的確に把握しておくことが、将来の展望を描くために重要な基盤となります。個人のキャリア開発からみると、将来のビジョンと大切にしていきたいことが実現できるかどうかを納得して取り組むめるかどうかが、仕事に対する取り組み姿勢すなわち前向きに動機づけできているかどうかの分岐点です。一度決断したら見直しや後戻りはしばらく難しいでしょう。組織にとってタレント・プールや将来のサクセッションプランニングのために自社の期待する「能力」や「志向」の合致した人材を把握していくことは重要なキー・サクセス・ファクターでしょう。
個人にとって、新しいキャリアに向かってチャレンジングなリスクをとっても、できれば予測できない隠れたリスクは最小化しておきたいところです。それでもリスクを冒して別なキャリアを選択することもあります。可能性に満ちたビジネスパーソンにとって、どのようなキャリア・プランを描いていくか、また巡ってくる機会を有効に獲得するための自己の能力やキャリア志向をの棚卸しをして、先々の見通しをもっておくことは戦略的なキャリア形成に有意義であると考えます。
組織と個人はコインの表と裏のようなものです。せっかくならお互いの意図や考えを明らかにし、相互の理解をより深められたら、この先行き不透明な時代にあって明確な合意とコミットメントに基づいて勇気と自信をもって新しい可能にチャレンジできる、そう思います。アセスメントは、いってみればそのようなやり取りをやりやすくするためのコミュニケーションツールのようなもの、そう考えることも出来ます。これらのコミュニケーションに自社の戦略とグローバルな視座が加わるとHRMの意義が一層増すとそう期待しています。