経営者自身のパフォーマンスモデルをどうつくるのか?

Q2:経営者自身のパフォーマンスモデルをどうつくるのか?
経営者自身のパフォーマンスモデルをどうつくるのか、と言うご質問ですが、最高経営責任者ですから誰が決めてくれるの、という疑問ですね。
まずその組織のビジネスをどうしたいか、どうなるのか、可能性はどうか、Pros Consを描いてみたら、などなど事業戦略が明確であり、中/長期的な展望が描かれていることが必要だと思います。これは前述の、後継者モデルをどのような視点で、どんなメンバーとでつくるか、で述べた考え方と同様です。
そして、CEOは一人で仕事をしているわけではありませんよね。トップを支えてくれているステークホルダーは一緒に働いているメンバー(部下や同僚)そしてお客様です。さらに、世の中には、同じ立場や役割で仕事をしていて、成功している方々が数多くいらっしゃいます。私たちが人材情報として提供しているPXTのように、能力や行動特性に表される自身の傾向(スタイルといってもいいでしょう)や仕事に対する価値観といった事に関して、客観的な視座から分析した結果をまとめたレポートが大いに活用できるでしょう。大切なことは、CEOといってもそれは役割立場のことを指しているのであって、その役職にいる人物のことではありませ。トップ自身も将来の成功を見通すために、組織全体を俯瞰してレビューすると共に、組織のトップマネジメントがどうあるべきか、を見直しながらいく必要があるでしょう。自らが変化を引き起こし、リーダーシップを発揮してこそのトップマネジメントではないでしょうか。
さて経営者のパフォーマンスモデルをつくる上で、以下のような検討材料が有効であろうかと思います。(1)O’netにあるような典型的なパフォーマンス/モデルを参考にする(2)成功に影響を与えるステークホルダー(部下や顧客)からのフィードバックを収集する(3)自己認知に基づくアセスメントの結果をモデルつくりの分析に用いる(4)外部の経営コンサルタントなどの有識者から提言を得たり、他社での成功事例をひな形として検討する
経営者として、周囲の理解とコンセンサスを形成していくステップが、企業の将来像を描くことにもつながっていくのではないでしょうか。役割立場とそこに任ぜられている人材を混同しないようにして、複合的な視座から情報を収集し、それら分析した結果をもとに合理性をもってドキュメント化していってみてはどうでしょうか。