適材を適所に任用するために その2

実はこの一ヶ月の間で、あらたにProfileXTをご導入いただく案件が決まりました。
人材の有する「能力」を把握し、変化の早いビジネスにおいて、タイムリーに人材を任用していくこと。また人材のキャリア形成と能力開発のために活用されたい、というご相談からでした。
人材アセスメントを活用できる場面は多岐にわたります。人事施策をキャリア・ステップの一連の流れに沿って見ていくと、人材採用が最初に用いられるステップです。中長期的な視点から、人材の目指すキャリア志向をマネジメントサイドが理解しておくことが、仕事のできる人に、その人にとってやる気の出る仕事を任せられることになれば、パフォーマンスが高くなるのは自然なことです。期待されることとやりたいことが合致している程度が高くなるわけですから、自発的な発想や行動が生まれるような明確なコミットメントと目標に対する合目的な(前向きな)動機が形成されます。
ProfileXTでは、思考スタイル、行動特性そして仕事への興味という三領域についてアセスメントを行います。また、これらを統合した総合ジョブマッチという指標で、パフォーマンス・モデルとどの程度合致しているかを定量的な結果として表します。「思考スタイル」は、言ってみれば地頭がどんなことを得意としているのか、たとえば複雑で多様なことを扱うのが向いているのか、定型的できちんとしたプロセスを遂行することに向いているのか、といった傾向を知る上で参考になります。
次の「行動特性」は、その人のスタイル、持ち味といった意味合いで、9つある因子のそれぞれついて、その傾向値を表します。行動スタイルは、特性論をそのロジックとして分析をしています。
三つ目の、「仕事への興味」は、類型論の視点から、個人の特徴と職業選択や職業行動についてアプローチします。理論的な背景として、ホランドのパーソナリティーと環境タイプ論が用いられていると教わりました。ホランドの説としては、個人はパーソナリティーと合致するような社会環境で仕事をすることにより、より安定した職業選択をすることができ、より高い職業的満足度を得ることができる、という主旨のことを述べています。普段はなかなか他の人にはわかりにくい、個人的な職業感や価値観ということに深く関連しています。もしかしたら、自分自身で気づいていないようなこともあるでしょう。
PXTの構成からすると、順番は逆さまになりますが、三つ目の「仕事への興味」について、先にもう少し書き留めておきたいと思います。
彼の研究に依れば、この理論には4つの仮定に基づいて開発されています。(1)大多数の人は、「現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的」の6つのパーソナリティ・タイプに分類される
(2)これと同じように、環境タイプも6つのタイプ、すなわち「現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的」に分類される
(3)人々は、自分のもっている技能や能力が活かされ、価値観を態度で表現でき、自分の納得できる役割や課題を引き受けさせてくれるような環境を求める
(4)人の行動はパーソナリティーと環境との相互作用によって決定される
前述したように、やりたいことと、やってほしいことが結びついていればいるほど、その人は仕事に高い満足を得ながら、意欲的に(求められることと合致してと言う意味で)行動する、と言えるのだと思います。日常的には、人事や上司との公式な場の面談を通じてこのようなことに言及することもあるでしょうし、呑みにケーションといったインフォーマルな場で、本音を話したり聴くことがあるのではないでしょうか。普段はなかなか人前で話すようなことではないこれらのことは、仕事との関わりを理解する上でとても重要なのは、誰しも分かっていることです。ただ、人それぞれで伝え方や聴き方に多様性があります。そうなので、それらを整理して、わかりやすい情報にし、その人材を活かすために情報を使いやすくする方法の一つとして、PXTのようなアセスメントがあるわけです。